Message
ごあいさつ
「全ての農家さんに幸せな牛飼いの毎日を提供する」
この理念のもとに株式会社VETELLはスタートし、共感する仲間が集まり、利用者の皆様に支えられています。ありがとうございます。
株式会社VETELLは、獣医師である私が長年構想を温めてきた「共有型電子カルテ」の発想から、農家さんの会計/経営に資するシステム「vetell」の構築と運営、そして酪農・畜産という産業界にIT活用の普及啓蒙を目指して起業した会社です。
私たちが目指すのは、国家の根幹である「食糧生産」とそれを支える「農村社会」、両者の維持発展です。農家戸数の減少や後継者不足は今や喫緊の「課題」ですが、vetellによって獣医師をはじめとした関係者と「必要な情報を共有する」ことで、経営におけるコストとリスクを最小限にする事ができ、新規就農や事業承継のハードルを下げることが可能となります。
vetellによって、『持続可能な畜産・酪農の形を追求』し、『仕事としての牛飼いだけでは無い「ライフスタイルとしての牛飼い」を楽しめる様な基盤を作る』、これが私たちの目標です。
スマート農業、特に畜産・酪農の歴史に新たな一ページを加えられるよう、今後もたゆまぬ努力を続けます。
◆池田 哲平(いけだ てっぺい)
代表取締役CEO/獣医師
肉牛・乳牛それぞれの専門診療所において、個体診療・繁殖管理・飼料設計・牧場コンサルティングを経験。
北海道から九州まで、全国で牧場コンサルティングやバーンミーティングを実施。
その過程で、関係者による情報共有の重要性を認識。
過去、自作の電子カルテを診療所に導入した事で獣医師の業務負荷が大きく軽減する事を体感。
そのベースを生かし、コンサルティングの経験と合わせてvetellの着想に至る。
経歴 | |
1983年生まれ | |
2009年3月 | 北海道大学獣医学部卒業 |
2009年4月〜2014年 3月 | 有限会社シェパード(獣医師) |
2014年4月〜2015年7月 | 北海道大学大学院獣医学研究科(2014年:Leading奨学生、2015年:日本学術振興会特別研究員) |
2015年8月〜2017年10月 | サツラク農業協同組合(獣医師) |
2017年5月〜現在 | 株式会社BRAST(代表取締役) |
2019年7月〜現在 | 株式会社VETELL(代表取締役) |
STORY
弊社の代表である池田は、獣医師として全国の牧場で診療とコンサルティングを行ってきました。その中で、農家さんと獣医師の双方に多くの「痛み」がある事を肌で感じ続け、長年それを解決する手段を模索してきました。
牧場の日々の管理記録をとっている農家さんは決して少なくないですが、それを自分たちで業務改善や疾病予防にまで活かすことは困難であるケースが多く、牧場の問題は解決しないまま放置されてしまいます。獣医師に相談したいことがあっても、記録をまとめたり話を整理できないままでは、忙しい獣医師にその時間を取ってもらえない……。
獣医師としても牧場の記録や情報は活用したいのですが、その様式や内容は牧場ごとに様々であり、かつ、いつでも確認できるように集約されている事は少ない…
そのような状況では、獣医師もその記録情報を日々の診療に活用する事は困難でした。結果的に、「正確な診断ができない」→「治療効果が上がらない、治せない」→「治療に追われる」→「往診終了後のカルテ事務作業に追われる」→ 「予防戦略を練れない」→「治療に追われる」……と悪循環に陥ってしまいます。また、治療に追われては大きい牛を相手にする獣医師は体力的にキツくなり、長く業界にとどまって活躍したいと思う獣医師は減る一方です。自分の牛の治療に追われる農家さんもまた同様です。
当社代表の池田は、この様な農家さんや獣医師のそれぞれの痛みに向き合い、それらを誰もが負担少なく解決できる方法を模索してきました。
池田は過去に所属した診療所2ヶ所において、Excelを使った電子カルテを構築し、獣医師のカルテ事務作業量が3分の1から4分の1にまで減らせることに成功しました。それに加えて、農家さんの日々の記録や飼い方を詳細に「聞き出し」「記録し」「データ処理する」ことで、問題点を顕在化させることが可能になったのです。顕在化した問題点の改善のため、獣医師とその関係者も一体となって取り組んだ結果、疾病率が大きく低下し、数ヶ月〜1年以上に渡り死亡がゼロと言う牧場をいくつも経験してきました。
当然牧場の収益は大きく向上し、農家さんも業務に追われる時間が大幅に減少。「ゆっくり牛を見て回る時間が増えた」「夫婦やスタッフでの会話が増えた」「さらなる生産性向上に取り組む姿勢が生まれた」など、情報共有することによって、疾病予防、更には牧場の生産性向上・収益向上の効果は非常に大きいと感じてきました。
このような経験から、
牛に関する生まれてから死ぬまでの全ての情報を入力でき、それを関係者間で共有できるプラットフォームがれば、あらゆる「痛み」の解決につながる(システムの開発)
と確信し、
業界全体の維持さらに活性化には、牛の管理ノウハウや疾病予防の戦略を広く農家さんや他の獣医師にも行ってもらう必要がある(普及啓蒙)
と考え、一般普及させることを目指したのです。