池田
 藤井牧場さんの概要、規模など教えて頂いてよろしいでしょうか。

藤井
 当社は総頭数で約1000頭、経産牛が600頭、そのうち今500頭が搾乳牛です。(残り)400頭が育成牛と言う構成になっております。

池田
 vetellを導入したきっかけやその経緯などを教えて頂いてもよろしいでしょうか。

藤井
 既存の搾乳牛用の牛群管理ソフトはもう10年来使っていたのですが、搾乳牛の繁殖と乳量管理とか群移動とか、そういったところをメインに使っていまして、やはり哺乳牛での対応があまり出来ていなかった。搾乳牛用ですので雌牛しか管理していなかったという経緯もあります。
 最近は哺乳牛販売の方も非常に規模も大きくなってきています。酪農家というと、どうしてもそちらが副産物という捉え方になってしまうので、管理のところでデータ化して積み上げて行くという所が無かったのですが、さすがにちょっとそれはいかんだろうというところ。やはり哺乳管理システムの部分をしっかり構築して行きたいと考えていた中で、vetellを知ったところがきっかけになりましたね。

池田
 今まで子牛は同様に育てられてきたと思うのですが、販売額が大きくなってきた理由とかきっかけとか、もっと子牛の哺育の方にも力を入れなくてはと思った理由があったのでしょうか。

藤井
 規模拡大が一段落しましたら、年間約600頭の分娩があるんですけれども、そのうちの半分以上は販売になってくるということになりますし、そこでF1(*乳用交雑種)あるいは和牛などの分野にも受精卵移植を用いて行くとなってきた中で、非常に販売額が大きくなってきたというところが背景にあります。そういった中で、販売含め色んな部分をもっと精密にやれるようにして行かなきゃならないというふうに思いました。

池田
 なるほど。今までは雌牛を保留して、その副産物として雄のホルスタインとかF1が多かったところに和牛も増えて、販売額を押し上げている。かつ、そこの管理はもうちょっとしっかりしないといけないかなと、いうのが課題としてあったということですね。

藤井
 そうですね。以前からずっと、もう紙ベースの状況でしたので、管理自体がずさんだったわけではないと思うんですけども、どうしても非常に煩雑になってしまう。治療データとかを遡るとしたら常に日誌を見直さないとならない状況で、なかなかそういったところは大変だったと。それが、どうしても搾乳が優先されていく中で、そちら(哺乳牛)がちょっと置いてけぼりになっていた部分があったので、やはりこれは時代に合わせて、また頭数も以前とは全く違うような状況になっていますので、データ化して行きたいなという思いがありました。

池田
 藤井牧場さんの中で、今まで記録そのものは紙ベースでも取られていた。それをいかに効率よく振り返るか、もしくは記録そのものも効率化して行くか、特に子牛のところに関してというところでvetellの決め手になったのですね。

藤井
 はい。やはりそのあたりが紙ベースだと、特に農場HACCPもやっていますから、出荷の履歴とかも含めて整理が必要だったんですけども、すべて紙ベースだったので紙だけでも膨大な量になっていまして。やはりそういったところを整理して行きたいというのは非常に大きなポイントですね。

池田
 藤井牧場さんは農場HACCP、JGAPも取得されていて、そこへの記録管理・導入のしやすさというところも、vetellは貢献できるでしょうか。

藤井
 投薬の記録等の報告等に関して獣医師さんから一つ一つ判子(押印)という形でやっていた部分を、もうちょっと整理して行けると良いのかな、というふうに思っています。

池田
 はい、ありがとうございます。